9月8日、出雲・雲南地域広域連携生態系ネットワーク推進協議会主催の「ヒツジグサ観察会」が開催されました。
会場は、同協議会が指定する大東町仁和寺のモデル集落内にある水田(休耕田)で、コウノトリの採餌場でもあります。「20数年前に耕作をやめていた休耕田だが、10数年前によけじ(土水路)を作った。ヒツジグサを見つけたのは10年くらい前。そのうち、コウノトリが来るようになった。何とか頑張って維持したい。」と話すのは、水田を管理する松田勉さん。
ヒツジグサ
講師の佐藤仁志さんは、当日、観察会場の水田で採取した水生生物を並べて、「ヒツジグサが咲くだけでもすごいことだが、ここにはミズオオバコの花も咲いている。食虫植物のムジナモや、浮遊植物のヒシも多く生育し、環境が良い。また、絶滅危惧種のゲンゴロウや、様々な希少生物が生息しているとても貴重な場所。雲南の宝、島根の宝になり得る。外来生物が入ってしまえば一気に生態系が崩れてしまうので、本当はこの場所のことは内緒にしておきたい気持ちがある。コウノトリが来てくれるこの環境を維持していかなければならない。」と参加者に解説しました。
ヒツジグサは例年6月~9月頃まで見ることができます。水面上で未の刻(午後2時)頃に直径約3~7㎝の花を開き、夕方には閉じます。2~3日は1つの花が開閉を繰り返します。
参加した地元住民らは、ヒツジグサなどを観察しながら、生き物探しも行い、「身近なところに貴重な環境があることが分かった」「環境整備にも協力していきたい」「アカハライモリやドジョウ、ヒメゲンゴロウも捕まえて観察できた」と感想を話していました。
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